地方の事業者にとって「求人」は大きな壁ですよね。
特に専門職ともなると、応募者がゼロ…なんてことも。
和歌山県のある小さな鍼灸院も、まさにその課題に直面していました。
地域の中だけで人材を探そうとしても、応募はほとんどなく、求人広告の効果も限定的。
「このままでは事業の継続すら危ういかもしれない」――そんな状況だったのです。
ところがこの鍼灸院は、思い切った方向転換を図りました。
その結果、スタッフ5人を揃え、月商400万円を実現するまでに成長。
まさに“地方だからこそ可能だった”逆転劇でした。
「田舎=不利」という思い込みを外す
一般的に、地方の経営者は「地元の人を採用する」ことを前提に考えがちです。
でも、この鍼灸院がとったのは真逆の発想。
「都会で働く人に、田舎という新しい働き方を提案する」 という方法でした。
実際、都市部には“自然の中で暮らしたい”“ゆったり働きたい”と考える人が一定数います。
田舎は人材不足の土地であると同時に、彼らにとっては「理想の環境」でもあるんです。
実際の取り組み
では、どんな工夫をしたのでしょうか?
- 求人広告のターゲットを都市部にシフト
大阪・神戸・名古屋といったエリアの求職者に向け、
「和歌山の自然に囲まれながら、鍼灸師としての人生を豊かにしませんか?」と訴求。 - 移住支援をフルサポート
引っ越し費用は会社負担。さらに、家電付きの寮を用意。
「田舎に行くのは不安」という心理的障壁を、徹底的に取り除きました。 - 受け入れ後のフォロー
生活や地域コミュニティへの馴染みをサポートし、
都会経験を持つ人材に合う待遇や成長機会を提供。
結果として、安心して移住できる仕組みが整い、都会から優秀な人材が集まってきたのです。
他業種でも応用できる
この手法は、鍼灸院に限りません。
- 自然と向き合う害獣駆除
「サバイバル好きな方へ! 大自然を舞台にした仕事」 - 農業ビジネス
「土と暮らし、本当の豊かさを見つけませんか?」 - 観光・ホスピタリティ
「本物の癒しを届ける、心が温まるお仕事です」
どれも「田舎の特徴」を“売り”に変換している点が共通しています。
田舎こそ可能な人材戦略
求人がうまくいかない時、つい「人口が少ないから仕方ない」と諦めがちです。
でも、本当にそうでしょうか?
都会には、地方だからこそ魅力を感じてくれる人がいます。
その人たちに向けて――
- 都市部をターゲットにする
- 移住の障壁をなくす
- 田舎ならではの魅力を打ち出す
この3つを押さえることで、求人の可能性は大きく広がります。
和歌山の鍼灸院の成功事例は、まさにその証拠。
「田舎だからこそできる人材確保の方法」が、これからの地方ビジネスを変えていくのかもしれません。