「うちは大手には勝てないんです」
これは、地方でリフォーム業を営む多くの会社が、口をそろえて言う言葉です。
実績、価格、社歴、広告費…。どれを取っても、大手には太刀打ちできない。
実際、今回ご紹介する会社も、年商は約4,000万円。地域ではほとんど無名の存在でした。
同じエリアには、全国展開する大手リフォーム会社。
テレビCM、折込チラシ、Web広告――
同じ土俵で勝負しても、勝ち目がないのは誰の目にも明らかでした。
しかもリフォーム業界は、差別化が非常に難しい業界です。
使う塗料も、施工方法も、保証内容も、正直どこも大きくは変わらない。
そんな状況の中、この会社はたった1年で売上1億9,000万円まで成長します。
一体、何をしたのでしょうか。
着眼点は「弱みを隠さない」という逆転の発想
多くの会社は、こう言います。
「地域No.1です」
「実績が豊富です」
「価格に自信があります」
しかし、この会社は真逆のメッセージを打ち出しました。
「私たちは、一番ではありません」
社歴も、実績も、価格も、一番じゃない。
あえて“負け”を認めるような表現です。
普通なら「そんなこと言ったら選ばれないのでは?」と思いますよね。
ところが、これが強烈な差別化になりました。
業界全体が「私たちが一番です」と叫ぶ中で、
「一番じゃありません」と言い切る会社は、圧倒的に目立ちます。
人は、比較できないものに出会うと、立ち止まります。
そして、そこに潔さやすがすがしさを感じるのです。
「一番じゃないからこそ」のストーリーが、共感を生んだ
この会社が伝えたのは、こんなメッセージでした。
私たちは一番じゃありません。
社歴も実績も価格も、一番ではありません。
しかし、一番じゃないからこそ、
お客様にとっての“一番”に選ばれるために、
満足していただくことには、誰よりも力を入れています。
このストーリーが、多くの人の心を掴みました。
「完璧じゃないけど、誠実そう」
「応援したくなる」
「この会社、信用できそう」
大手と比較される土俵から降り、
“共感”という別の土俵を作ったのです。
実践したのは、誰でも理解できる「具体策」
もちろん、言葉だけでは信頼は生まれません。
この会社が素晴らしかったのは、具体的な行動を数字で示したことです。
例えば、こんな取り組みを打ち出しました。
- 毎日の現場清掃は、他社の3倍の時間をかけて実施
- 施工後の無料点検回数を業界平均より多く設定
- お客様専用の24時間対応の連絡窓口を設置
「頑張っています」ではなく、
何を・どれくらい・どうやってやっているのかを明確に伝えたのです。
これにより、「価格」や「規模」での比較ではなく、
「安心感」「人の姿勢」で選ばれる会社になっていきました。
この戦略は、どんな業種にも応用できる
この考え方は、リフォーム業界に限りません。
整体院なら
「技術も実績も一番ではありません。
でも、お客様の痛みに向き合う時間だけは、誰よりも長く取っています」
美容室なら
「有名店ではありません。
ですが、お客様一人ひとりに似合うスタイルを見つけるためのカウンセリング時間は、誰にも負けません」
学習塾なら
「進学実績は大手に及びません。
その代わり、生徒一人ひとりとの面談時間は、大手の5倍を確保しています」
一番じゃないことを認めるからこそ、伝わる価値があるのです。
弱者が取るべきマーケティングの本質
弱者の戦略は、「勝とうとしないこと」です。
競合と同じ土俵で比べられた瞬間、負けが確定します。
そうではなく、
- 一番じゃないからこそ
- 小さいからこそ
- 無名だからこそ
提供できる価値を、言葉と行動で示す。
それが、選ばれる理由になります。
今日からできる3つのアクション
もしあなたが、
「うちは大手に勝てない」と感じているなら、ぜひこの3つをやってみてください。
- 弱みを洗い出す
競合より劣っている点を、正直にすべて書き出す - 逆転メッセージを作る
「一番じゃないからこそ、◯◯を大切にしている」という軸を決める - 具体策を数値化する
努力や想いを、行動と数字で見える化する
弱みは、隠すものではありません。
正しく使えば、最強の武器になります。